2002年3月

   老人とは何歳からなのでしょう?年を重ねるにつれなんとなく気になるものです。老人福祉法の適用年齢は65歳であるからこの年齢になると老人会の方から声がかかると聞いたことがありますが、がいくつになっても老人会などには入りたくないと思ってしまいます。最近はシニアグループなどと横文字が流行っているようです。

 老人福祉法の制定が昭和38年でこのときの65歳以上の人口比率は全体の6%でした。現在では6%の人口比率の年齢は約75歳以上となるらしです。したがって私はまだまだ先の話と考えて良いのですが63歳という年齢になり意外だったのは思いのほか昔を振り返らない事です。現役時代のことを話さないわけでも、昔は良かったと言わないわけでもないがそれよりも私が関係している韓国の会社の将来が気になってしかたがありません。
 また、訪れたことのない国はまだいくつもあるし、日本だって行っていないところはいくらでもあります。食べたことのない料理もたくさんあるはずで、足腰が達者なうちに行けるかどうか、胃が丈夫なうちに食べられるかどうか、これもまた気になってしかたがないのです。

 話は変わって今月も薬を取りに地元の日赤病院に行きました、最近になり出入り口が自動回転扉になり人々の出入りに際して以前のように外部の寒さが吹き込まないように改良されたり、またIT化が進み予約から医療費の計算、薬の支給までの時間が大幅に短縮されてきてました。しかし病院に来ていつも感じることですが年配の人の多さです。まあ老人になれば病気になり易いのでやもう得ない事ですがこれからの老人医療問題を考えざるえません。

 
寒さを防いでくれる正面玄関の回転ドアー
会計と薬を待つ老人達
 

 

 先々の事までまでは心配しなくても良いのかもしれないが、今後の医療費問題などつい考えてしまいます。今回の薬代は2140円取られました、私は国民健康保険で2割負担ですから合計金額は10700円です、この差額の8560円は別の誰かに請求されるはずです。私達が過去に支払った保険料はとうに食いつぶされていて赤字国債の償還に使われています、つまり8560円は再び赤字国債で補うことになりその償還が孫の代に行われるはずです。

 結局私たちが病院に来て薬をもらうのは「孫から小遣いを巻き上げている」と同じだと言われる訳です。今後ますます老齢化が進みます、政府も医療費改革を叫んでいますがどこまで出来るか過去の経緯を見ますと不安です。

 
袋に中には薬と薬の内容と効用の明細が入ってきます
合計2140円の外来診療費領収書です
 

 

 国立社会保・人口問題研究所から発表されている統計によると老年人口(65歳以上)の割合は平成12(2000)年現在17.4%から平成26(2014)年には25%台に達し、日本人口の4人に1人が65歳以上人口となるようです。平成62(2050)年には、35.7%の水準に達する見込み。すなわち2.8人に1人が65歳以上人口となるものとみられます。また平均寿命「図1参照」はますます延びて老年人口の割合は25%に増加します「図2参照」。

 先日家内の父親の病気見舞いに行きました。86歳になる義父は3年前に脳障害で入院して以来ずっと病院暮らしです。老人病棟に入るとにトイレ臭いのが気になります。めったに見舞いに来られないので家内がいろいろ世話をしているが、それよりも同室の寝たきり老人の世話は家族が来ないときはすべて看護婦、看護士が献身的に世話をしてくれています。その姿には頭が下がります。

 
家族との面会が一番うれしい
食事は家族の絆を深めている

 

 ここの老人達の気持ちは廊下に張ってあった「願い事の寄せ書き」に現れています。自宅介護やデイ・サービスなどの言葉が突然目の前に迫ってきました。いつかは自身もこのようになるのか、考えたくない光景ですが確実に近づいていることも事実です。

 
 
 

 老人病棟での問題の一つに3ヵ月過ぎると転院要請があります。これは3ヶ月過ぎると、診療報酬が減額されるので、病院にとって招かれざる客となってしまうというのが真相です。患者は3ヶ月ごとに懸命に転院先を探しているのがごく一般の現実のようです。義父の家族も転院先を探しているようですがまだ見つかりません。これは家族にとっては大変過酷な要請です。家庭の事情で自宅看病できないから入院しているのですから・・・お金があれば問題ないのかもしれないが・・冗談ではない話です。一体どこにこの問題をぶっつければよいのでしょう?・・しかし不満ばかり言ってもはじまらない。

 この関係に詳しい友人に聞きますと介護保険制度がスタートして2年になったようである、現在では有料・無料のいろいろな介護サービスがあるようですから拡充を期待したいし私自身でも調査研究をしてみようと思う。

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