2005年4月

 

島根県が3月22日を「竹島の日」に制定してから韓国では連日TVも新聞もトップニュースで反日報道を始めました。新聞の日本語ニュースの見出しは次のようなもので静かな日本に対し、怒り狂っている感じの韓国です。

  • 「主権侵害には座視しない」  
  • 「大韓民国の尊厳を日本の挑発から守れ」  
  • 「日本の挑発勢力に厳正たる教訓を与えよ」  
  • 「独島倭乱に怒り爆発」  
  • 「即時条例案破棄を要求」  
  • 「怒り震える韓半島、断交宣言相次ぐ」

 過去の歴史教育(反日教育)で育ってきた人達がマスコミ関係の主流なのかどうか解りませんが「日本の軍国主義の復活と植民侵略の狡猾な画策は宣戦布告に等しい」などというニュースをみると理解の範囲を超えています。政治家の無策がのこのような状況を作り出しているかと思うと残念でなりません。


竹島はここにあります
小さな2つの島ですが・・・
 


竹島(独島)の領有権問題は40年前からの対立であり、今年の1月でも独島切手の発行などで対立して来た経緯があります。地方議会の決定が今回なぜこうなるのか・・韓国人の心情は理解するとしても同調は出来ません。連日の大使館前でのデモで日本の国旗を焼き、小泉首相の似顔絵を叩かれる映像をみていると日本人として心穏やかではありません。

 
民間の署名活動
国旗が焼かれる

 

 身近な問題も発生しました。3月25日〜29日の地元中学生の韓国訪問が中止になりました。訪問先の中学校から突然最近の独島問題から歓迎する雰囲気でないので交流は中止して欲しいとの要請がありました。中学生同士の民間交流まで中断することがはたして両国の将来にたいして良い結果に繋がるのか疑問がありましたが先方からの要請ですから止むを得ません。

 ホームスティのための事前の勉強会では韓国に関する勉強や韓国語の挨拶や歌の練習までやり、スーツケースやお土産まで準備して楽しみにしていた日本の中学生になんとも申し訳ない気持ちです。急遽ご両親に集まっていただき説明会を開きました、その席上での親の発言内容の一部です。

 
  ・  残念な結果ではあるが竹島問題をはじめ教科書問題など子供に話す良い機会となった。

  TVニュースで教科書が焼かれてましたが、その教科書は来年度に使用するものでした。これは我々に対する報復かと思った。

  子供にはまた行けるよと慰めましたがひどくがっかりしてました。竹島問題がこんなに影響するとは・・正直言って驚きました。

  仕事から帰ってくると、娘から開口一番に「やってられないよ」と言われ非常に悔しそうでした。

  民間レベルの訪韓なので行けるねと安心していたのに中止で残念です。

  人見知りをしてしまう娘が、今回は1人でのホームステイに挑戦すると言い親としてとても嬉しかったのですが・・。

  息子は、親が反対したのにもかかわらず、どうしても行きたいと、自分で交流会に電話して参加を決めましたのでとても残念です。必ずまた行けるよと慰めました。

 
 国と国がいろいろ問題があっても民間同士の交流は相手を理解するためにも今回のような時こそ障害を乗り越えて続けるべきではないかと思って韓国側に話をしましたが連日の反日ニュースにより交流を中止せざるを得ない空気が出来てしまっているようでした。交流の推進役の一人として日本人関係者に迷惑をかけてしまい大変残念で申し訳ない気持ちです。

 
私にとっては心優しい韓国の大切な友人達なのです。
   
 「縮み思考の日本人」とういうエッセーを書いた知日家の李御寧氏がこう語っています。
「歴史とは、農作業のようなものだといわれています。 高い山の峰ではなく、低い谷間や平地に種を播かなくてはなりません。 歴史は政府の指導層やエリート層よりも平均レベルの一般人から常に養分を吸収して育つからです。歴史とは、農業のようなものだ。(中央日報)」

 日本側が反省すべきことは無いのでしょうか?多くの日本人が竹島?どこにあるのか解っていません。どうして韓国人がこの島に熱き思いを持っているのか知らなければなりません。また多くの日本人観光客を京福宮に案内したとき、ここで日本人暴徒らが朝鮮高宗の明成皇后を殺害(1895年)した事実を知っている人はいませんでした。日本が韓国との友好関係がが大切であるとするならもっと韓国のことを知る必要があります、また学校でも教えるべきです。過去の事実を知ることは自虐的歴史教育ではありません。問題は教え方にあると思うのです。

 漁民が困っている島根県民の気持ちを竹島の日としたのは自国民に対するメッセージとしては理解は出来ます、しかしこの事がせっかく今まで築き上げた日韓友好の根底を激しく揺さぶってしまったことを考えると憂鬱な気持ちの毎日です。