「あだたらロープイェイ駅」の駐車場に着いた時は8時30分近くであった、計画より1時間遅れてしまった。すでに登山客が15名近く「あだたらエクスプレス駅」近くに待っている姿があった。

 山登りは歩いて登るべきでロープウエイを利用するのは邪道であると思っているが・・・「無理をするな、健康と安全第一で登ったらどうか!」という考えが強くなり・・山頂駅までロープウエイを利用し、安達太良山頂から鉄山まで登って「くろがね小屋」に降るルートに決めた。

登山口のロープウエイ駅駐車場 安達太良奥岳登山口
山頂駅までのロープウエイ ハゲハ蝶が飛んでいた

ハイキング情報
ルートはここ
ハイク日:2008.9.10 天候:晴れ 単独行
【往路】ロープウエイ山頂駅(8:40)→千女平分岐(9:30)→(10:10)安達太良山頂(10:30)→牛の背→馬の背→(11:20)鉄山山頂
【復路】鉄山(11:40)→馬の背(12:30)→峰の辻(13:00)→くろがね小屋(13:40)→勢至平分岐(14:20)→烏川橋(15:00)→自然遊歩道経由(30分)→奥岳登山口(15:30)

 料金900円で「あだたらエクスプレス」に乗り6分で山頂駅に到着です。ここから安達太良山へ登り始めるが灌木の中の木道が良く整備されているので歩きやすい。シャクナゲが多く目についたので花のシーズンは見応えがありそうである。

 ゴンドラの中で一緒になった郡山市から来た年配の単独登山の人は先に行ってしまったようだ、今朝はもう年だから単独登山に反対の奥さんとバトルをして来たんだと話してくれたがわが家と同じような情況で苦笑してしまった。

 「阿多多羅山の山の上の毎日出ている青い空が、智恵子のほんとの空だといふ」という智恵子抄の青空とは今のような空かなと思いながら40分ぐらい登ると「千女平分岐」という看板がある場所に出た、ここまで来ると山頂も見えてきた、周囲の見通しが良くなってきた。
かすかに山頂が見える、ここから急なガレ道を登る
彼方に吾妻山系の遠望
 今まで天候が不安定で昨日と今日が晴天になったためか、あるいは時間が早いのか登山客は意外に少ない、登山口にあるホテルに泊まって早朝に登って山頂から降りく来る人に数人と出会う。吾妻山系が雲の向こうに遠望できるところでリックを下ろし写真を撮っていると・・・降りてきた年配の夫婦が話しかけてきた。

「失礼ですが・・・お一人ですか?」・・そうですよ。
「お歳のようですが御幾つですか?」・・・ちょうど古希です、古希の記念登山という訳です〜(笑)。
「お若いですね!私の方が4歳若いんだ・・なぁ〜」とつぶやいた。


 一緒にいた奥さんが「私たちも頑張らなくてはね、お父さん!」と旦那に発破をかけてから「ではお気を付けてください」と言って降って行った。

この姿が乳首山とも呼ばれる 安達太良山の山頂にて
 少し登ると安達太良山の主峰・乳首山が見えてきた、歩き始めて1時間半で山頂まで登った事になる。岩山の部分は大したこともなく登れて山頂に立つことが出来た。

 山頂からの風景が素晴らしい、西には彼方に磐梯山が突き出るように聳えていてその下には桧原湖だろうか光って見える。これから行こうとする牛の背、馬の背の縦走コースとその先には鉄山がある筈であるが姿が確認できなかった。

山頂岩下から和尚山(1602m)を眺める
遥かに磐梯山が遠望できた
 馬の背から「沼の平」という昔の火山爆発した噴火口を眺める、なんとも荒涼とした風景がそこにあった。数年前にこの沼ノ平西側斜面において、亜硫酸ガスのため中高年パーティのうち四名が死亡するという事故があったために縦走路以外は立ち入り禁止になっていた。

 沼の平風景を眺めていると単独行のおばさんが話しかけてきた。福島県内から来たというこのおばさんは65歳でいつも単独で山歩きをしている、この山には既に三回目の登山だと話してくれた。この山の情報はかなり詳しい、いろいろ話をしながら鉄山(1709m)に向かう。急な登りで時々振り返って大丈夫か聞くので「大丈夫だよ」とその都度返事をして鉄山への急坂を登った。
沼の平と呼ばれている荒涼とした爆発跡の風景
シラタマの木 鉄山への道 リンドウ
 鉄山山頂で一緒に「むすび」を食べながら「あれが避難小屋、その向こうに箕輪山(1728m)があります、そして鬼面山を経由すると野地温泉ですよ」とおばさんの話は詳しい。

 鉄山から馬の背まで戻り、ここから峰の辻に降りることにした、30分ぐらいで峰の辻に到着した。ここは安達太良山や「くろがね小屋」への分岐点である。ここからくろがね小屋へ向けて降るが急なガレ場が続き歩きにくい、先日の豪雨で土が流れて石がむき出しになり歩くのが大変な下山道であった。

スライド画像集
「クリックで拡大画像」

鉄山への最後の急登 鉄山の山頂にて
鉄山から安達太良山方面を眺める 下山途中で馬の背方面を見上げる

 「くろがね小屋」まで約1時間かけて降りた。一休みと思い小屋に入ってみると内部には5人の登山客が食事中であった。ところが室内が暑くて汗が引かないので早々に外部に出て歩くことにした。ここから勢至平分岐まで馬車道と言われる小型ジープが通れるような広い道路の下り坂をだらだらと歩いた。途中から馬車道でなく登山道を下ることになったが烏川橋までの距離は稼げるが雨で抉られた道は歩きにくく、滑りやすい道だった。この道は変化もなく見通しも良くないのでおばさんとの会話のみが疲れを忘れさせた。

 烏川橋からは「あだたら自然遊歩道」を通って帰りましょうと云われ後に従った、確かに変化に富んだ渓流の遊歩道だが、木道はあちこちに穴があきかなり危険な木道もある、今月末から修理のため歩行禁止になると掲示板があったのは改修する為である。

 遊歩道は思ったよりアップダウンがあり山歩きの仕上げのような道だった。最後の急坂を登った所が奥岳登山口だった。時計は午後3時20分を指していたので登り始めてから約5時間半の山歩きは終了した。お世話になったおばさんに又いつか山で会いましょうと挨拶して別れた。

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