雲竜渓谷の旅

2017年1月

 厳冬期だけしか見ることが出来ない氷柱、氷瀑、の世界をぜひ味わいたい思って「雲竜渓谷ツアー」に申し込んだ・・・。しかし案内書には「健脚向き」とあったので不安もあったが、毎朝のリックを背負って6km歩いているから大丈夫と自身に言い聞かせて参加を決断した。当日は日光運動公園に8時に集合とあったので一時間前に到着してゆっくり朝食を食べて、その後に園内を散策しながら軽い運動した。

 時刻通りにツアーガイドが小型ワゴン車で来た。参加者の名簿の記入や防水性のある登山靴を申込者に配布したが私はヘルメットのみ借用した。ベテランのガイドが安全に連れて行って貰えることが一番重要でツアー合計料金の8200円については高いとは思えない。

 雲竜渓谷へは日光市の東照宮の裏手の細い林道を入って登って行くとスタート地点となるゲート前の小さな駐車場に到着した、しかし既に満車で手前の林道脇に並んでいる車の隙間に駐車した。ここでストックとヘルメットを配布、アイゼンをリックに付けて歩き始めたがゲート前でガイドからここからずっと登りが続くので汗も出るから服装を調節した方が良いとのアドバイスがあったのでインナーを脱いでリックに括り付けて出発したのは正解だった。

 
   
日光運動公園 ゲート付近でインナーを脱ぐ 
 
 同行者は私から見ると非常に若い感じの男子3名、女性2名だった。登る道は今年から工事車両、やイベント業者関係者しか入れないようになったらしい。他の一般の人は案内板にハイキングコースと書いてある右のコースに行くようになったがまだ認知されてないようで多くの一般登山者も同じコースを一緒に登っていた。

 本日の登山実績(78歳の老人が挑戦した実績です(^_^;))
 登山データー 登山日:2017-2-6 天候:曇り時々晴れ ツアー参加
日光運動公園駐車場(7:00-8:00)→ゲート(8:40)→稲荷川展望台(9:40)→洞門岩(10:40)→
雲竜渓谷入口(11:40)→雲竜瀑(12:30)→お昼休憩(〜13:00)→洞門岩(14:20)→ゲート(15:30)→
まんじゅう屋(16:10)→日光運動公園駐車場(16:30)

途中の休憩 宇都宮方面の町並みが見えた

 思ったより道路の雪は少なく道の両サイドにある雪をよけて約1時間ぐらい登ると稲荷川展望台という場所に出た。展望台に登るとこれから登ってゆく雲竜渓谷方面が間近に見えた。

 出発してから2時間くらいで洞門岩という所に到着した。ここには何故か県警の車両や登山管理関係者の車両が駐車していた。ここでアイゼンを付けた、ガイドからアイゼンを付けたときの歩き方の説明を受けてから左手の林道へでなく右側の沢コースを下がって行くことになった。 

                
 
稲荷川展望台から雲竜渓谷方面 アイゼンを付けての歩き方の説明 

 
 渓谷に降りるとすぐ稲荷川の渡渉だった、岩から岩へアイゼンを付けて渡るのは初めての経験で怖かった、ガイドからストックはここに付いて股を大きく開いてこの岩の中央まで跨いでなどの足場の指示を受けて渡ったが滑って落ちたら凍傷になりますと脅かされたので本当に緊張した。

ガイドの適切なリードで無事全員渡れた

 渡渉してから雪に覆われた岩の急な道を登ったがストックは役立たず膝を上げる力がないと手を使って這い上る以外にない。脚力が無いのか這い上るようになり手袋は雪と土でグチャグチャになってしまった。途中で息が切れて休み休み登ったが若者達はやはり早く登って待ってくれていた。

 洞門岩から約1時間かかってやっとの思いで雲竜渓谷が見渡せる高台に到着した。ここまでの沢コースは渡渉したり急登ありで変化に富んだ道だったが私には思い出に残った厳しいコースだった。ここからいよいよ入渓である、雲竜渓谷入口と書いてある倒れた看板の脇の階段は雪の下に埋まっていたが手摺りに掴り慎重に下った。

 渓谷に降り立ち進んで行く手に氷柱が見えてきた、いよいよ目指す雲竜渓谷の中心部が近づいてきたようだ。
 
雲竜渓谷入口という高台から渓谷を眺める  間近の氷柱に圧倒される


氷柱前で記念撮影

 ガイドが的確に渡渉ポイントを探しながら渡渉を繰り返し進むと間近に素晴らしい氷柱が次々と現われた。自然の芸術を眺め、写真撮影しながら登って行くと「友知らず」と呼ばれる雲竜渓谷の核心部分に踏み込んだ。その向こうには燕岩の氷柱の神殿と呼ばれている景観には圧倒的な迫力があった。

 
 「友知らず」は稲荷川が狭まった所で10m位の氷柱があった
 
クラゲと呼んでいた氷塊 
 
氷柱や氷壁の連続 
「友知らず」風景
 
 燕岩の氷柱群
 
 更に登ると落差100mを超える雲竜瀑が見えてきた、下の小滝は溶けて穴が開いていた。雲竜瀑をアイスクライミング中のクライマーの姿が遠望できた。

一部氷が溶けていた   本日の旅の終点

 奥に見える雲竜瀑の滝壺まで行きたがったがここ迄が今回のツアーの終点だった。滝壺迄へはここから右の高巻きのルートが続いていたが、10本以上の爪のアイゼンとピッケルが必要などの話で危険もあり雲竜滝の真下までは行けなかった。、疲れもあり右手の胸に迫ってくるような急登を登る体力も無かったので丁度良かった。


アイスクライミング風景(同行者のMさんから戴いた写真)


 帰途は登って来た道とは違って林道ルートだった。登って来た沢ルートを戻るのは危険な渡渉あり、傾斜の急な道だったのでガイドから林道コースと話が出たときはほっとした気分になった。

 このため少し登らなければならなかった。一旦登ってからぐるりと回って下りる道を歩いて洞門岩に到着した、ここでアイゼンを外して出発点まで黙々と歩いたが気温が下がって道がアイスバーンになっている所が多くスリップしないように気を付けた。下りながら振り返ると思ったより急な道を登ったのだなと感じながら出発地点のゲート口に到着したのが15:30だった。

  
集合写真 ここの饅頭が美味しかった
 
 この後、東武日光駅近くの揚げ饅頭屋に立寄り一休みして美味しい変わった揚げ饅頭のサービスの提供を受けてから集合場所の日光運動公園に戻った。予定通り無事に戻って来られたのはSaradaガイドさんの的確なアドバイスとリードが有ったからで感謝と御礼を申し上げたい、また若い同行者の皆様にもお世話になり感謝します。

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