2006年6月

   50番の嶺東高速道路からシン村を過ぎて45番の中部内陸道に入り忠清北道忠州(チュンジュ)市近くで高速道路を降りて目指す月岳山(ウォルアクサン)の麓の松渓里(ソンゲリ)に到着しましたのは10時でした。道路の傍にある売票所(入山料徴収所)のアガシに聞くと2Km先の徳周登山入口からの方が楽とのことでしたので徳周登山入口から登る事にしました。

 登り始めて10分ほどでお寺(恵徳寺)を横切ると急な勾配の石の山道が続きます。幅は2m近くありよく整備さています。松渓里(ソンゲイリ)の徳周登山入口から主稜線のまでに3時間かかると案内図に書いてありますから勾配は楽だがその分距離を歩くことになったようです。

 
忠州市近くの月岳山 今回のコース(クリックで拡大)
月岳山全景・右の主峰が嶺峰(ヨンボン)
   登り始めて少し行くと石垣と山門のようなところがコ周山城です。新羅時代から戰略上の要衝地として軍隊が駐屯していたようです、新羅末期と高麗初期には弥勒寺とコ周寺が建立され1022年の蒙古軍の来襲時には住民はここに非難したそうで今でもその城郭の一部が残っています。山城の中に東門、南門、 北門は復元されたようですが現在も盛んに石の城壁を修復している様子が見えました。
 
徳周山城跡 修復された周徳山城の城壁
   この城壁を過ぎて急な岩道を登り鉄梯子をいくつか登ってゆ行くと磨崖仏がある徳周寺というお寺に到着しました。寺は朝鮮戦争時に焼けましたが再建が進んでいるようです、ここでしばらくの休憩です。磨崖仏は高さ13mでコ周寺法堂の東の岩に彫刻されていたもので宝物第の406号に指定されています。顔は長くて豊かで長い目と大きめな鼻、垂れた顎は太った顔を強調した高麗時代の巨像でよく見られる手法であるという。

 稜線近くなると岩の間を縫うように石段や鉄梯子が多くなります。もう12時近いが昼食は後にして上がったり下がったりの山道を嶺峰(ヨンボン)を目指しました。岩や緑に覆われた山道は疲れが無ければ山道脇の草花や樹木などゆっくり観賞したいところですが残念ながら今はその余裕がありません。

 
石段と鉄階段を登る 徳周寺の磨崖佛は高さ13m
このような山道の連続 休憩した場所の標識にはあと2.3Kmとある
   やっと休憩場のようなソンゲ三叉路に到着しました。しかしここから山頂までまだ2Kmとあります。もう出発して2時間近く登ったのですがあと1時間半は登るようです。山頂で昼食にしようと思っていたのですが・・もう無理だ・・・疲れた足に鞭打って最後の急勾配を登ったところがボトアム三叉路、ちょうど時計は1時過ぎました・・ここで昼食を食べることにしました。

 山道近くでの昼食でしたので次から次と登る人、下山する人が通ります。嶺峰(ヨンボン)までは「梯子段の連続で350段あるよ」と下山して来た人が話す声が聞えました。

 
最後の階段を登る
主峰の嶺峰は大きな岩だった
   昼食もそこそこに最後の登りに挑戦です。しかしここからは思ったより楽でした。最後の階段を登ったところが大きい岩の月岳山主峰の嶺峰(ヨンボン)1097mでした。あいにく薄曇りで見晴らしが良くないが・・岩と緑を眺めながら爽やかな風が吹き抜けるのがなんとも気持ちがいいものです。目標を達成した喜びと苦労が報われた瞬間でもあります。
 
岩の間からの登山口の町が見える
記念写真を撮ったが疲れた顔だった・・!
   狭い頂上に沢山の人が登ってくるので早々に下山となりました。登ってきた道を戻るより急な傾斜のようだが、ソンゲ三叉路まで降りてここから松渓里(ソンゲリ)の売票所までの下山路としました。下山道も石で出来た階段状の道では1時間も下がると足がガクガクしてくるのでゆっくり、ゆっくり歩くことにしました・・横を跳ねるように若者が通り過ぎて行きます。途中で大学生の団体が休んでいたので話してみると野外活動で今日は山に登ってきたようです。

 2時間かけてやっと売票所のある道路まで降りました。ここから25分ぐらい道路を歩いて今朝出発した登山口の徳周休憩所に到着し今日の往復6時間の登山が終わりました。
 
下山した場所は松渓(ソンゲ)渓谷
メギメウンタンを食べる
   ここで少し早い夕食を食べることになりました。山登りをしたあと疲れた時は食欲がなくなります。ご飯にこの「メギメウンタン 」のスープをかけて食べるのが韓国流で・・フーフーと汗を出しながら食べ始めるとだんだん食欲が出てきます。メギ(ナマズ)メウン(辛い)タン(スープ)ですから「ナマズの辛しスープ」ということになります。

 写真の鍋の中にはナマズが6匹入っていました、ナマズとネギ、セリ、きのこ、ゴマの葉、ニンニク、青唐辛子などをコチュジャン(とうがらしみそ)と薬味と塩で味をととのえて煮込んでいるところです。辛いのが苦手の人は無理かもしれません。小(2,3人分)で25000ウオン(約3000円)ですから、庶民感覚では比較的高い方の魚料理です。

 登山している途中、なぜ韓国まで来てこんな苦しい思いをするのかとふと疑問に思いました・・・登山を終えて食事をしながら同行した金さんと次はどこの山に行こうかと話しが弾むのはどうしてなのか・・・・?


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