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2010年12月 |
昨年から社長はコンカレント(Concurrent)という言葉を使いながら業務の「スピードを上げろ!」とスタッフ部門に発破をかけている。特に商品開発部門に対しては図表を示しながら従来の半分に開発スピードをあげるようにと指示している。設計が終了し出図する時点で調達先や単価、商品の原価が解るようにしろというのだ。
コンカレント・エンジニアリング(Concurrent Engineering=CE)は昔から叫ばれていたことで、設計から製造にいたるさまざまな業務を同時並行的に処理することで、量産までの開発プロセスをできるだけ短期化する開発手法である。
今までの商品開発のやりかたはよく言えば柔軟な業務分担体制と人的ネットワークで出図の前に製造に情報を流すといった工程着手の前倒し程度であった。
2、3年前から3次元CADやネットワークインフラなどの構築を行い、各部門の情報を互いに共有できるようになってきているがシステムの運用にははまだ課題がある。
また設計者だけで何もかも処理できるわけではないので下流工程の他部門との連携や調整能力もまた欠かせないスキルとなるため教育も必要である。 所詮運用する人間の考え方が変わらなければ成果に結びつかないのだ。
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コンカレントの概念図 |
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近年はコンカレント・エンジニアリングより押し進めた形ともいえる「コラボレーション」が盛んに提唱されているらしい。コラボレーションは随時情報を共有して複数のエンジニアが協調して作業を進める。これによって、より柔軟な開発体制が築けるとされているが・・表現の仕方だけでなく従来から幹部に話している個人プレーでなく組織力を発揮しろということであると思う。
まだいろいろ問題はあるが確実に開発期間の短縮が進んでいることは確かであり心強い。
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CADによるメカニズムの設計 |
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最近、日本企業の幹部が工場見学した後にコンカレントの実例の説明を社長が行った。内容としては多少オーバーな表現が多少気になったが・・日本側の感想としては「商品開発のスピードには魅力を感じたので今後の商品開発については今まで以上に協力関係を強化したい」という話しだった。
相互補完のためのエンジニア同士の「日韓の技術交流会」を継続的に実施することで幹部同士が合意したので今後のビジネス展開に期待したい。
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