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2021年12月
 
里山とは、完全に自然のままでもなく、人間の影響を受けた生態系が存在する山をいう。所有する山林も里山と呼んでも良いと思う。

農耕雨読は夢だった(2021/8/20)

 1994年に心臓病を患い36年間勤務した電機会社を途中退職した。その後療養しながら韓国の中小企業の技術顧問として毎月の半分を勤務していた時に老後の生活は森の中で年金で晴耕雨読しようと夢見て知人の山林(1,300坪)を購入した。

 山林を買っては見たが・・あっという間に25年も経ってしまった。この間には狭心症の再発やその他、いろいろな事情があって森の一人生活は現実的でなくなった。

 今年も年間契約の水道料を支払いに8月に現地に来てみると敷地には夏草が生い茂り、改めて森の生活が夢で終わってしまったことを実感した。ショックだったのは山林を譲ってくれた知人が肺癌で今年の6月に既に亡くなったことを知らされたことだった。まだ70歳代の前半のはずなのに・・・彼の冥福を祈った。

 森に住むことは夢で終わっても良いが、これからすべき事はなんなのか?夏草を眺めながら考えた。
 
夏草が生い茂った山小屋の予定敷地

里山の再生が必要だ!(2021/10/22)

 都会に住む孫がキャンプやバーベキューなどが出来るような環境に出来ないかと思い「たかはら森林組合」に相談しに出向いた。(森林組合とは森林所有者が組合員となっている協同組合である)

 林業に関しては全く知識がないのでいろいろな質問をした。人の良さそうな係員のSさんが丁寧に説明してくれ、現地調査もしてくれた。

 日本は約7割が森林で、その約7割が個人所有する私有林らしい。林業ついては機械化でニュースでも取り上げられているが現実はキツイ仕事でもあり人手不足は慢性的であるようだ。放置されたままの森の荒廃が進み日本林業の大きな問題になっている。

 Sさんが伐採した方が良い樹木にテープを巻き、作業小屋周辺の樹木だけを伐採する見積書を頂いたが思ったより高額で実施は保留としていただいた。
 
間伐予定目印をしてくれたが・・・

有難い話があった日だった(2021/11/3)

 カフェ「自家焙煎珈琲コトリ」で里山の再生で悩んでいる話をしたのがキッカケで多くの人からアドバイスをいただいた。

 特に広大な里山を再生した元市会議員の下地氏から貴重な経験談を聴くことが出来た。また宇都宮市の長岡樹林地の再生、管理をボランンティアで参加しているSご夫妻の活動内容なども聞いて感銘を受けた。

 
下地氏所有の3,500坪の里山

 里山はそのままにして置いては価値が出ない、孫やその子供の時代に良いものを残してくれた、と言われるようにすべきだと下地氏は持論をもっていた。

 山林をどうのようにしたいのか、キャンプ場と言っても敷地をどう生かすのかマスタープランを作って欲しい。そうしたら過去の経験を生かしプランの実現のために皆んなで一緒に楽しみながら、協力する仲間を集めるという話もでてきた。

 宇都宮のS氏夫妻から皆さんは私の笑顔も見たいからね、といわれると涙が出るほどうれしい!皆さんの協力が得られそうだ。なんと有難いことだろうか!!。
 
アドバイスを受けて将来の計画をポンチ図にしてみた

第一回の里山再生視察会!(2021/11/24)

 里山を「生かすことが出来ないか」というカフェでの何気ない話がだんだん広がって里山再生に興味と知識がある仲間が集まって「第一回の里山再生視察会」の日になった。

 地域に住む個人の力を纏めてくれている「自家焙煎珈琲コトリ」のオーナーや下地さん、地域社会の活性化のリーダー、宇都宮市のSご夫妻、などが集まってくれた。

 中でも実際に自身の里山を再生してきた下地さんは里山作りに関する奥深い知識を持っていた。将来の姿を想定して計画を立てることや、樹木や植栽の知識など多くのことを学んだ。


当日の様子の一部の動画

 私が所有する里山を大人や子供が集まって非日常的な遊び場が出来れば良いのだがなぁ~と夢が膨らんで来た日になった。

森林簿が有るのを知った(2021/12/8)

 専門業者の伐採見積もりのために事前に市役所の農林課に行って樹齢を確認するため森林簿のコピーを貰ってくださいと下地さんから依頼があった。「森林簿」という言葉は初めて聞いた。

 さっそく矢板市役所の森林課を訪ねた。使用目的と本人確認の後に「森林簿」のコピーを戴いた。この森林簿には所有者、樹種、林齢、齢級、樹高、材積、成長量、傾斜、伐採履歴などが載っていた。

 記載内容は更新できていないので参考ぐらいで考えて欲しい。現地を見れば樹齢などは直ぐに解りますよと窓口の人が話してくれた。その後に副主幹の肩書で博士号を持った幹部の人から森林管理の話をいろいろ聞くことが出来た。

話の概要は次のような話だった。

1,日本の森林の保全状態は危機的な状況からまだ抜け出せない状況が続いている。原因は人手が無い、採算が取れない、多くの山林は荒廃に向かっている。

2,登山、ハイキング。キャンプなどレジャーとしては盛り上がって利用人口も急激に増えているが、森林保全の面では大手企業が利益が出る山林の伐採、植樹など手掛けているのみで全国的にみれば、まだまだ一部である。

3,森林関係ビジネスとしては不動産が活発になっているが、それは中国資本も含めた太陽光事業である。

4,山林の保全に関する情報が関係者のみで全国的に広がりがない、業種を超えて現状を共有し打開策を模索している。

 問題は林業は人手不足でビジネスとして成り立たないし、今でも人手不足は解消しないし継続も難しいのが現状である。しかし地元新聞に載っていた機械による伐採ニュースを読むと行政や関係者も努力しているように感じた。
 

出会いは生き甲斐につながる(2021/12/20)

 カフェで出会った人達の輪が広がり、地元の著名な歴史家からの資料が史跡巡りでは役立ったし、新聞記者、建設会社経営者、寺の住職、神社の宮司、地域活性化プランナー・・・などのいろいろな人に出会ってから新しい情報、新しい体験が得られている。

 人の輪が広がると思わぬ方向に引きずられ、引っ張られ、それが気が付いたら生き甲斐になっているから面白い。

 里山の伐採、植樹の再生事業だから国の支援金を受けたらという話になった。窓口が矢板市の農林課だから相談したらどうか、税金を払っているのだから個人所有の山林でも可能性があるかも?個人が問題なら団体にしましょう、と気軽に話しが進んで行くのでビックリで想定外な話も進んで行く。

 出来るかどうか分からなくても挑戦してみようかという気持ちになるから不思議だ。しんどい時もあるが「生きがい」「やり甲斐」に繋がっているのは確かだ。

 「生きがい」とは「生きていてよかったと思えること」であるから、山林の再生が私の生きがいだと堂々と言えるにようになりたいものだ。 
 
「自家焙煎珈琲コトリ」での出合いがスタートになった

里山の再生が進展するのか?(2021/12/23)

 今まで数回矢板市農林課に出掛けて里山再生について相談しているが、市側としても現状把握が必要なので忙しい合間に現地を視察してくれた。

 矢板市の「森林経営管理制度」を利用するにはどんな条件が必要なのか、現地の樹木の住宅材としての価値などについてアドバイスをいただいた。結果としてはいろいろな壁を乗り越える必要があることが分った。

 
樹木の住宅材としての価値は大きくないようだ

 現地で隣接するキャンプ地の責任者からキャンプ用地として借用できないかと申し入れがあった。キャンプ地として活用するとなるとWi-Fiや給電が必須で設置する必要があるという。

 樹木は山側の檜の間伐はよいがキャンプ用の平地周りの樹木は伐採しないで現状の方がキャンパーからは好評になると言う話があった。伐採して明るくしたいと思っていたが現状のままの方が良いのだと聞くといろいろな利用の仕方があるので面白い。

 里山の更新を目指して活動している「くまの木里山応援団」の現場を見学できたのが良かった。今後の再生の可否に対して参考となったので大きな収穫だった。
   
「くまの木里山応援団」の活動現場を見学が出来た

支えてくれる仲間達のためにも(2021/12/30) 
 今年は持て余していた山林がコーヒーショップで知り合った人から友達の輪が広がり、自然と触れ合える里山に変身できるかもしれないという希望が生まれた年てあった。

 宇都宮のご夫妻から里山作りにビジネス話は安易に乗らないで、あくまで里山としての価値を上げて、生かすべきではないかという貴重な意見もいただいた。たまたま一緒に居たイベントプランナー、寺の住職も同じような意見だった。

 多くの仲間の善意に助けられていることを実感した。仲間の思いを生かすためにも健康が大切だ、アクティブに動ける体作りをしなければならない。

 韓国語や水彩画の勉強、ホームページ、ブログなど全て趣味で気楽にやっているつもりでも体力が必要だ。仲間に支えられていても、何事も自身が一生懸命やらないと継続は出来ない、楽しみの裏に一生懸命があることを忘れず頑張らなければならない。

 

これからどんな事が起るのか!


 
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