こんな本はいかが?

今年の夏は特に暑い日が続いています。円安・株安で日本経済も最悪の状況が続きリストラや一時帰休を実施する会社も増えています。韓国も同様で韓国第一のサムスン社も下期は赤字になりそうだと非常事態体制で会社運営をやるそうです。私は夏休みを山の涼しい木陰で読書三昧で過ごしましたので紹介します。                                     

2001/8


ソウルと平壌

萩原 遼 著 (元赤旗・平壌特派員) [兜カ芸春秋]¥524
1998年10月10日発行  ISBN4−16−726004−2

私の友人がもし読んでなければ参考になるから読んだらと進められるままに借用した本です。 著者は1972年に赤旗平壌特派員として11ヶ月滞在し、金日成により追放されました。1972年のソウルオリンピックに赤旗記者として25日滞在したあと記者を辞めて現在はフリーとなっています。少し古い話ですが北朝鮮の内幕やオリンピック時代の韓国の活気ある様子、その時の北に対する態度などが書かれていて今読んでも面白い内容でした。 また北朝鮮が貧しく笑いのない社会であることや金日成主席の人柄などかいま見ることが出来て興味深く一気に読んでしまいました。


わが人生、わが道   金大中自伝

金大中 著 (韓国第15代大統領) [叶迹¥走[]¥1600
2000年9月20日発行  ISBN4−88492−257−3

1998年秋、金大中大統領が来日し「過去の事は今後問わない」と明言しそれ以来日韓関係が非常に好転しました。 しかし最近は「歴史教科書問題」でまた逆戻りの状況が生まれています。この本には金大統領の生い立ちから現在までの出来事が記されており「いくたびか死線を越えて」来た人の強烈な個性と高い志が感じられます。昨年の秋の南北首脳会談の実現という民族の宿願を果たし民族の和解と協力への第一歩をしるした人でもあります。 著者が商業高校卒で若い時は海運会社に勤務したこともある苦労人であり「人々の間に島がある、その島に行きたい」という詩を思い「人に合うことは私にとって常に初恋である」という人柄に私は魅力を感じました。 この知日家大統領も「つくる会の教科書」には強い反発を発しています。日本と韓国の近代史に関しもう少し韓国人の立場を理解した教科書にならないものかと感じた本でした。


新しい歴史教科書

西尾幹二代表執筆者 他12名(大学教授) [兜}桑社]¥933
2001年6月10日発行   ISBN4−594−03155−2

韓国との外交問題に発展している問題の教科書です。同時に発売されている「新しい公民教科書」と合わせ読んでみました。 何の先入観もなく韓国に関しての実情もよく解らない一般の日本人が読んだなら多分どうということもない一般的な教科書で、何が問題なのか理解できないかも知れません。事実私の周りにも韓国は何んでそんなに騒ぐのか不思議に思う人が多いのも事実です。 韓国側の修正要求の「韓国強制併合」「強制動員」「皇民化政策」「従軍慰安婦」等々は歴史的事実をどのように捉えるかであり加害者、被害者で見方が違ってくるのもやもう得ない、歴史事象をどのように記述するかは執筆者の判断であり「政府がどうこう指示できない」ことは良く解るのです。しかしこの本のまえがきの「歴史を学ぶとは」に書かれている内容は私としては納得できません。

「歴史を学ぶことは、過去の事実を知る事ではない、過去の事実について過去の人がどう考えていたか学ぶことである。過去の不正や不公平を裁いたり告発したりする事でなくそれぞれの時代には、それぞれの時代に特有の善悪があり、特有の幸福があった」

と記しています。もしそうであるなら当時の日本が外圧から自国を守るための韓国侵略も正当化できるではないのでしょうか。このような考え方には被害者からは到底納得できる考え方ではありません。韓国が反発するのは当然ではないのかと感じた次第です。


北朝鮮を知りすぎた医者

ノルベルト・ホォラツェン 著 (ドイツ人医師) [椛錘v社]¥1800
2001年6月25日発行  ISBN4−7942−1062−0

今年の7月に中国の北朝鮮国境にある丹東市付近を歩いて来ましたがそのとき見た北朝鮮の風景が記憶に有ったのでしょうか、書店でこの本が目にとまり直ぐに購入しました。 ドイツ緊急医師団として1999年7月から約18ヶ月北朝鮮に滞在した著者がその時見聞きした手記をまとめたものです。 「麻酔薬無しの盲腸の手術」「食べ物も服も不足暖房も無しの孤児院」「病院での薬や医療機器の不足」「度重なる停電」など2000万の国民が飢え苦しんでいる一方で権力者はそれに気にもかけづ贅沢な暮らしをしている、一部の特権階級の人々のために国民が飢えで苦しみ何も言えずに不安と恐怖に慄いている独裁国家の姿が描かれています。あらためて悲惨な状況に強いいきどうりとロボットのように動く軍隊を持った軍事独裁国家の脅威も感じました。


韓国・中国歴史教科書を   徹底批判する(−歪曲された対日関係史ー)

勝岡寛次 著 (明星大学講師) [鰹ャ学館]¥552
2001年8月1日発行  ISBN4−09−402376−3

韓国がどのような歴史教育(特に対日関係)かは独立記念館に展示されている内容を見れば大体見当がつきます。 この本は韓国教科書の記述にも対日関係で多くの歴史歪曲があり具体的に指摘解説しています。もし事実なら韓国政府に修正を申しいれたらどうなるのか、言うべき事ははっきり話した方がよいと思うのですが・・?。 韓国の教科書は日本の「天皇」と正しい呼称で呼ばず、いまだに「日本国王」とか「日王」と表している、これも韓国側から言わせると「天皇の名のもとに韓国を侵略したから」となるらしい。 結局富士山も見る位置により形が変わるように歴史感も民族によって異なります。どのような記述に重点を置くのかを国により異なる事をお互いが認め合うことが大切です。


儒教とは何か

加地伸行 著 (大阪大学名誉教授) [中央公論社]¥720
1990年10月25日発行 ISBN4−12−100989−4

韓国は「儒教の国」とよく言われます。実際に会社の宴席では私の前では若い人はたばこは吸わないし、お酒をついでも横を向いてお酒を飲みます。電車やバスに乗ってもお年寄りの方を見るとそこがシルバーシートでなくても席を譲ります。 この儒教についてあらためて聞かれると「宗教ではなく倫理、生活規範」であるぐらいの説明しかできませんでした。この本には儒教の成立、その儒教理論の基礎、それを発展させた経学と朱子学、など解りやすく解説されていました。儒教に関して興味のある方の最初に読む本です。


もっとおもしろい韓国人    熱くて楽しい隣人たち

高 信太郎 著 (漫画家) [褐文社]¥848
2001年6月30日発行  ISBN4−334−00713−9

漫画家の書いた日韓比較文化論です。著者は韓国語を理解し韓国の事情にも精通した人で韓国人の行動をよく観察し面白く解説した内容です。「言わぬが負け」「奥歯にものを挟まない」「苦しい時のウリ頼み」など私も思わず笑ってうなずく話が載っています。最近の教科書問題の検定制度の限界に関しては日本政府はもっと声高に反論すべきで静かにじっと我慢しているような態度は韓国人には理解しにくいのです。 また最近の北朝鮮事情も触れていて電力不足は相当に深刻なようです「労働新聞」になんと「自分の使う電気は自分で発電するよう」と呼びかけがあったとのこと・・?思わず笑ってしまいました。


韓国を食べる   「食」から見た韓国人

黒田勝弘 著 (産経新聞ソウル支局長) [褐文社]¥1300
2001年3月30日発行  ISBN4−334−97294−2

在韓20年のジャーナリストである著者が書いた韓国食文化論です。日本人は形で食べ韓国人は味で食べるとは良く聞く話ですがなぜ「韓国人は耳で食べる」のか?理由は韓国人はよくしゃべる、おしゃべりは耳につながり、食べる、しゃべる、聞く、が渾然一体となっているのが韓国人の食であるらしいということなのです。これをしゃれて「耳で食べる」と紹介されています。 「腐れエイの刺身」「犬肉料理」「カルビ」「韓国豆腐」「韓国アユ」「・・」など沢山の食事の紹介を通して「韓国・韓国人とは」「韓国社会は」といった話で纏められていて面白く読みました。今度食事をするときはこの本で得たネタを披露したらどうかと思っているほどです。最後に「韓国人のウンチが固く大きい」「精力信仰」の話が出てくるが実は私も同じ体験をしています。この理由について特に興味のある方はこの本を購入し読んでください。



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