日韓両国の政府は国交正常化50周年の最後の昨年末に慰安婦問題について「最終的かつ不可逆的な解決」を見たと発表しました。しかし2010年から12年まで駐韓国大使だった武藤正敏氏は韓国社会において反日という前提はこれからも変わらないでしょう。教育もメディアもこれまで反日一本で通してきたので、韓国が日本を客観的に見られない以上問題は解決しないかもしれないと述べている。両国首脳が政治家として格段に成熟したことを物語る一方で、慰安婦問題が再び蒸し返される火種も残している。安倍晋三首相が表明したのは「おわび」であって「謝罪」ではない。韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外相が使った表現は「立場の表明」であって「約束」や「合意」ではないという意見もあるからだ。
20年間日韓を往復しいろいろな韓国人と話をしてきたがその中で韓国の反日は、ソウルの日本大使館前と国会とテレビ・新聞の中にしかないような感じも受けている。それに比べて、心配なのはこの数年の間に日本人の嫌韓感情が高まっていることだ。すべてを韓国人の民族性・国民性に基ずくものとした議論が韓国、韓国人とかかわったことがない日本人に拡散することを心配している。相互理解の道はまだまだ遠い。
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