2006/4


  今年になって読んだ書籍を紹介します。  


韓国伝統文化事典

韓国・国立国語院  三島広夫/趙 完 済 訳 [教育出版株式会社]¥4571
2006年1月11日発行   ISBN4−316−80103−1


韓国文化と関連した用語233項目を分野別に簡潔に解説したものです。韓国と日本は地理的にも歴史的にも非常に密接な関係を結んできましたが韓国文化を体系的に紹介した日本語の書籍が無かったことも事実です。

したがってこの本は韓国の料理・服装・住まい・暮らし・風俗・民俗信仰・趣・特産物などが網羅されていますので韓国に興味を持つ人やこれから韓国を知ろうとする人には役立つ内容です。


韓国崩壊

パク・ソンジョ 著(ソウル大学教授) [潟宴塔_クハウス講談社]¥1900
2005年11月24日発行   ISBN4−270−00102−X


韓国政府は将来の統一をめざして南北融和政策を進めていますが著者は戦後60年近く経った南北は違う「民」となってしまっていることから、現在の統一政策にはこの点の考慮や戦略がまったく含まれていないことを指摘しています。
北朝鮮の知られざる実態とドイツ統一の致命的欠陥を詳細に検証し「同じ民族だからという理由で無条件に統一されたら南北は破滅する」と現政権が進めている南北融和政策の行く末に警鐘をならしています。


マンガ嫌韓流

山野車輪 著       [株式会社 普遊社]¥952
2005年11月1日発行   ISBN4ー88380ー478−X

本を開くと「韓国はワールドカップ時の審判の誤審のおかげで4強に進出した」 「植民地時代ハングルが学べなくしたのは韓国人校長たちだ」など韓国に対する卑下と 歪曲がぎっしりかいてあります。知れば知るほど嫌いになる国、それが韓国だ・・というのです。

一つ一つの内容についてきちんとした検証は出来ないのですが本の内容がすべて本当だとは思いません。 初めて韓国に接する人には初めて知る内容が多く、新鮮な感じも伝わるりますが内容が現在の韓国人が持っている感情とはとても思えません。

最近、韓国ではこの本に対抗して「嫌日流」というマンガ本が発行されました。お互いが非難しあっても何のメリットもありません。マンガ「嫌韓流」も厳密に言えばインターネット上の各種「アンチ韓国」サイトに出回る話を拾い集めたものにすぎません。


若き将軍の朝鮮戦争

白善Y(ペク・ソンヨップ)元韓国軍、第一軍団長 [株式会社 草思社]¥2600
2003年9月1日  ISBN4−7942−0974−6

1950年6月25日、北朝鮮は突如として韓国に侵攻しました。南北分断は何だったのでしょうか?著者は朝鮮戦争を第一線で戦った白将軍です。白将軍の日本統治下の暮らしぶりから、ソ連から帰国後の金日成、マッカサー元帥解任、難航した休戦会談、李承晩と吉田茂会談、朴正熙将軍のクーデター、「よど号事件」など知られざる内容にもふれていて、非常に興味深く読みました。

小川彰氏の解説「戦争の本質を余すところなく描く」の中に「朝鮮戦争の国連軍は16カ国であったが17番目の国があった、それは日本であり秘密裏に米国の要請を受けて吉田首相は1200名の機雷掃海艇を部隊を派遣した。中谷坂太郎という人が機雷に触雷して死亡した。この事実が発表されたのは3年後の1979年であった」と描かれていました。

国家の品格

藤原正彦 著(お茶の水女子大学教授) [株式会社新潮社]¥680
2006年1月20日発行  ISBN4−10−610141−6

戦後日本は祖国への誇りや自信を失うように教育され、すっかり足腰の弱ってしまっています。日本人は世界で唯一の「情緒と形の文明」をあっさり忘れ国際化という号令のもと、アメリカ化することにに踊らされてきてしまいました。日本は欧米の「論理と合理」に身を売ってしまったのです。現在も進行中のグローバル化とは、世界を均一にすることで、日本はこの趨勢に敢然と戦いを挑むべきというのが著者の持論です。いわゆる普通の国になってはいけない、「孤高の日本になれ」と。

また「祖国愛」を持てといいます。「祖国愛」とは自国の文化、伝統、情緒、自然を大切にするという心のことです。「愛国心」という言葉は「ナショナリズム」に通じ、他国のことはどうでも良いから自国の国益のみを追求するあさましい思想であり、「祖国愛」とは区別されるものです。

理論より情緒、英語より国語、民主主義より武士道精神の復活であり「国家の品格」を取り戻せと説いています。多少おしつけがましいところもあるが、書いてある事は至極まともで随所に傾聴すべき点があることは事実。愛国心と祖国愛なる言葉の定義のところは賛同します。

 





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