韓国温泉物語 (日朝沐浴文化の交流をたどって)
竹国友康 著 (河合塾大阪校講師) 「滑笏g書店」¥2800
2004年3月16日発行 ISBN4−00−022439−5
釜山に日本人居留地が設けられたのは1876(明治9)年である、当時の朝鮮では、儒教の影響下に人前で裸になることを嫌い、盥(たらい)を用いて身体の部分を洗う沐浴が一般的であったらしい。ここに日本式の「風呂に入る」という公衆浴場が玄界灘を渡り日本の入浴文化が、朝鮮のひとびとにどのように受け入れられてゆくのかを、釜山とその郊外にある東莱(トンネ)温泉を例に取りながら、日韓の当時の資料を丹念に探って文化という深いレベルでの交流の結果として現在の韓国の入浴風習として引き継がれている様子が書かれていて興味深い内容である。
朝鮮の沐浴文化や 入浴習慣と裸体観の差などを読むと私が日頃感じていた家庭での入浴はシャワーで済ましていたり、沐浴湯(モギョクタン)や温泉では前を隠さない韓国人の習慣がやっと理解できた次第です。
また韓国の現在の温泉地の紹介と共に北朝鮮の金剛山温泉まで足を延ばしてその訪問紀も韓国在住の者の一人として韓国の温泉めぐりを果したい欲求にかられました。
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