過ぎてみれば早いもので2004年元旦に地元の乃木神社に初詣をしたと思ったらもう新緑の季節に
なりました、正月から読んだ韓国関連の書籍を紹介します。  

2004/6


金大中 韓国を破滅に導く男

李 度 ?(イ・ドヒョン)著(「韓国論壇」発行人兼社長)
「椛錘v社」¥1600
2003年9月26日発行   ISBN4−7942−1242−9

北朝鮮から韓国に亡命した黄長Y元書記を公の場に出さない仕打ちや現代財閥からの巨額の不正送金事件 などを引起した裏に金大中大統領が掲げる「太陽政索」がある訳ですが著者はこの「民主化闘志」の
言動を検証して今後の韓国が北朝鮮に飲み込まれる危惧を伝えている。

1998年に金大中政権が登場し今までと違う方向に韓国が動き始めていることは事実である、反北朝鮮より同一民族として包容し支援する政策は北朝鮮の強大な軍備を維持することにも繋がっているが、盧大統領に なり反米的な空気がより大きくなって来ているのも気になるところである。


サムスン電子 (躍進する高収益企業の秘密)

韓国経済新聞社 編 福田恵介訳(東洋経済新報社記者)「東洋経済新報社」¥1600
2002年11月21日発行   ISBN4−492−50100−2

2004年の第一四半期(1〜3月)の韓国の輸出金額(594億7000万ドル)の35%がサムスン電子 であり貿易黒字(68億6000万ドル)の30.7%がやはりサムスン電子であったと朝鮮日報が伝えて いた。

ソニーを抜いたサンソンという見出しで2001年度に2900億円の純益を出したサムソンと 153億円しか出せなかったソニーと比較したものであった。この本は韓国の財閥企業の特徴であるカリスマ的な強力なリーダーシップを持った李オーナーの賢明な判断によるところが多い。

韓国人のサムソンブランドによせる信頼感は抜群でありこのような企業を作り上げたサムソン電子グループの躍進と企業哲学、経営戦略、未来ビジョンなどが書かれている。


北朝鮮化する韓国

李 度 ?(イ・ドヒョン)著(「韓国論壇」発行人兼社長)「椛錘v社」¥1600
2004年4月1日発行   ISBN4−7942−1289−5

金大中政権の5年間、その後の盧武鉉政権の1年間に韓国ー米国同盟関係の解体の布石がうたれてきたという著者の見方も共感できるところがある。

反米、反日、親北ナショナリズムが高まり無条件的民族統一願望が韓国民のコンセンサスになりつつある中で北朝鮮の対韓国工作の実態と歴代政権の問題点を明らかにして韓国社会の変容の危うさを指摘している。

先日の新聞(朝鮮日報5月14日)に朝鮮脱出者らが運営中のインターネットラジオ「自由北朝鮮放送」が各種の脅迫で放送を中止する危機に処している。いつの間にか、韓国社会では北朝鮮体制を批判すれば、何か大きな 罪でも犯したように取り扱いされる雰囲気が造成されつつあるとあった。このよな内容は日本ではなかなか理解 できないのですが駐韓米軍の縮小や撤退など韓国社会で起こっている現象の理解につながると思います。


韓国温泉物語  (日朝沐浴文化の交流をたどって)

竹国友康 著  (河合塾大阪校講師) 「滑笏g書店」¥2800
2004年3月16日発行  ISBN4−00−022439−5

釜山に日本人居留地が設けられたのは1876(明治9)年である、当時の朝鮮では、儒教の影響下に人前で裸になることを嫌い、盥(たらい)を用いて身体の部分を洗う沐浴が一般的であったらしい。ここに日本式の「風呂に入る」という公衆浴場が玄界灘を渡り日本の入浴文化が、朝鮮のひとびとにどのように受け入れられてゆくのかを、釜山とその郊外にある東莱(トンネ)温泉を例に取りながら、日韓の当時の資料を丹念に探って文化という深いレベルでの交流の結果として現在の韓国の入浴風習として引き継がれている様子が書かれていて興味深い内容である。

朝鮮の沐浴文化や 入浴習慣と裸体観の差などを読むと私が日頃感じていた家庭での入浴はシャワーで済ましていたり、沐浴湯(モギョクタン)や温泉では前を隠さない韓国人の習慣がやっと理解できた次第です。

また韓国の現在の温泉地の紹介と共に北朝鮮の金剛山温泉まで足を延ばしてその訪問紀も韓国在住の者の一人として韓国の温泉めぐりを果したい欲求にかられました。

 


日本帝国の申し子

カーター・J・エッカート 著 ((米)ハーバード大学教授(朝鮮学))「椛錘v社」¥2400
2004年1月30日発行   ISBN4−7942−1275−5

日本統治時代の1919年に朝鮮人資本の京城紡績株式会社設立され、この会社の創業からの全記録を調べた結論は、同社の隆盛は日本の植民地支配が成長を抑えるどころか大きく前進させたことが事実として結論づけられている。

韓国では、日本統治を弁護するものだ、との批判もあるようですが本書は一次資料などを引用した上で日本の朝鮮統治には批判的であると明言する著者ですら、資料と照らし合わせると「京紡の発展は余りにも目覚しく、日本帝国主義の犠牲になったとは到底考えられない」と書かざるを得なかった。

朝鮮の日本統治時代は良いこともあったといって大臣を首になった日本の政治家が居たがこの書籍は朝鮮の近代化は日本為であるとはいえ日本の植民地支配によりきわめて意図的かつ計画的に花開いた経緯が書かれています、これが米国人により検証されているのが公正性という点でも意味ある事であるのだが何故か韓国では完全な翻訳本が出版できないでいる残念なことである。

 


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